肥満と慢性炎症(その2)

2012.12.11|健康

このエントリーをはてなブックマークに追加
Check

漢方の鹿鳴堂薬舗

漢方☆薬剤師のひとりごと。

クリックしてみてください。ランキングが出ます。

こんにちは。毎日仕事が楽しい鹿鳴堂の泉谷です。

今回は「肥満と慢性炎症」について第2弾です。

ちなみに第1弾はこちら

 

 

●内臓脂肪組織における慢性炎症の実態

内臓脂肪組織の大部分は脂肪細胞が占めていますが、その間質には血管が密に走り、他にも多くの細胞が存在しています。

そこで、脂肪細胞の肥大に伴う内臓脂肪組織の機能的変化を検討するには脂肪細胞だけでなく、内臓脂肪組織全体の変化をみることが大切なのです。

 

実際、ヒトの内臓脂肪組織を観察すると、慢性炎症に関与する炎症性サイトカインは、主に非脂肪細胞が産出することが分かってきました。

また、マウスの内臓脂肪組織が拡大する過程を特殊なイメージング法で観察すると、血管内皮細胞と白血球の相互作用が活性化されてされて白血球が内臓脂肪組織に集まり、壊死した脂肪細胞を取り込むように炎症性マクロファージの浸潤がみられ、さらに血管や脂肪細胞の新生、繊維化が起こり、まさに組織リモデリングの様相を呈します。

 

このような内臓脂肪組織における組織学的変化は動脈硬化とも共通しており、慢性炎症の特徴の1つです。

つまり、内臓脂肪組織における慢性炎症が炎症性サイトカインや遊離脂肪酸(FFA)の放出を過剰に増加させ、インスリン抵抗性や動脈硬化の進展を促進させていたのです。

 

実際、内臓脂肪組織の慢性炎症を抑制することでインスリン抵抗性が改善することが動物実験で明らかになっています。

また、BMIが同程度の重症肥満者を、インスリン感受性がある程度維持できている群とインスリン抵抗性群に分けて比べると、前者で内臓脂肪組織の慢性炎症がが弱いことが報告されています。

ちなみに、慢性炎症によって内臓脂肪組織から過剰に放出されるFFAは、心血管イベントの発生や2型糖尿病の発症に深く関与していることが示唆されています。

(クレデンシャル  2012.12月号より)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今回、マクロファージというキーワードがでてきました。

 

●マクロファージ(Wikipedia より)

 

白血球の1つ。

免疫システムの一部をになうアメーバ状の細胞で、生体内に侵入した細菌、ウイルス、又は死んだ細胞を捕食し消化する。

また抗原提示を行い、B細胞による抗体の作成に貢献する。

別名大食細胞、貪食細胞とも。免疫機能の中心的役割を担っている。

 

と書くと、我々を守る味方ですが、本文にありますように、「組織リモデリング」、すなわち新生や繊維化で不可逆的な組織の変性が起こることが分かってきました。

具体的には動脈硬化やインスリン抵抗性の増悪です。

これらは「不可逆的」つまり元に戻らない反応なので始末に悪いのです。

 

ですから脂肪組織マクロファージのバランスを取る=慢性炎症を抑えることが、肥満の根本的な解決法だとも言えるのです。

次回は上記のことをもう少し詳細に解説します。

 

 

コメント一覧

コメントはありません。

この記事にコメント

*

トラックバックURL