肥満と慢性炎症(その1)

2012.12.10|健康

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こんにちは。毎日、仕事が楽しい鹿鳴堂の泉谷です。

先日、このブログで「悪性腫瘍と慢性炎症」についてご紹介しました。

 

興味深いテーマなので、続編を書こうと思います。

今回は「肥満と慢性炎症」について。

 

 

●内臓脂肪と生活習慣病の関係

脂肪細胞がレプチンやアディポネクチンといった多彩なアディポサイトカインを産生することが明らかになってから、脂肪細胞は単に脂肪を蓄える細胞ではなく、内分泌臓器の1つであると捉えられてきました。

また、肥満によって内臓脂肪組織が拡大すると、脂肪細胞が大きくなる(肥大)だけではなく、アディポサイトカインの産生に変化が起こることも明らかになっています。

実際、抗炎症作用を有するアディポネクチンの発現量は脂肪細胞の肥大に伴って低下し、炎症性のサイトカインであるTNF-αやIL-6などの発現が増えてきます。

 

臨床的には、内臓脂肪組織の拡大と全身的な代謝異常や易炎症状態が関連し、2型糖尿病や動脈硬化性疾患などの生活習慣病のリスクを高めることが明らかになっています。

そこで、肥満によるアディポサイトカインの産生バランスの変化が全身的なインスリン抵抗性や易炎症状態を惹起して遠隔臓器に影響を与え、生活習慣病を発症させると考えられてきました。

 

肥満によって拡大した内臓脂肪組織で、いったい何が起こっているのでしょうか?

なぜ、内臓脂肪組織の拡大に伴って、慢性炎症と捉えることができるダイナミックな変化が起こっていることが、ここ10年の研究で徐々に明らかになってきたのです。

(クレデンシャル  2012.12月号より)

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文中にあった「アディポサイトカイン」とは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称したものです。

アディポサイトカインには、動脈硬化を促進させるTNF-α、PAI-1や、動脈硬化に予防的に働くアディポネクチンなどがあります。

TNF-α(Tumor Necrosis Factor-α:腫瘍懐死因子-α)は、マクロファージから分泌される炎症性のサイトカインでもあり、肥大した脂肪細胞から分泌され、インスリン抵抗性を引き起こします。

PAI-1(Plasminogen Activator Inhibitor-1)も同じく肥大した脂肪細胞から分泌され、血栓を形成しやすくします。

レプチンは白色脂肪細胞から分泌され、視床下部の満腹中枢に働き食欲を抑制します。

アディポネクチンは小型化した脂肪細胞から産生され、インスリン感受性を促進します。

 

このように内臓脂肪の炎症を抑えることが、肥満はもとより他の生活習慣病の予防につながるのです。

次回はこの内容をもっと深掘りしてご紹介します。

 

 

 

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